Chain~この想いは誰かに繋がっている~
PM8時45分。

あの人が現れる、いつもの時間だ。

「映梨子。頑張って!」

美希は、私の背中をバシッと叩くと、奥のレジへと向かった。


レイトショーのお客さんが、ちらほらと来はじめる。

何人かお客さんを相手にした後、それは突然始まった。


「大人一枚。」

懐かしい声。

すぐに私は、顔を上げた。

「やっと会えた。映梨子ちゃん。」

そこには、私の好きな人が立っていた。


「下林さん…」

突然、自分の名前を呼ばれて、ポカーンとするあの人。

「あの…美希からあの紙、受け取って…」

「あっ、そっか。そうだ俺、自分の名前書いたんだっけ。」

はははっとお互い笑ってみるけれど、なんだか気まずい空気が流れる。
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