Chain~この想いは誰かに繋がっている~
「あっ、チケット!」

私は慌てて、下林さんがいつも座る、ど真ん中の席を取ろうとした。


「あれ?」

いくら操作しても、ど真ん中の席が取れない。

他のお客さんに取られたんだ

「すみません!いつものお席が…」

慌てて謝ろうとしたら、ボロッと涙がこぼれた。


だってどうして?

いつもは私が操作するまで、真ん中の席はみんな空けてくれていたのに。

よりによってこんな時に、席が空いていないなんて。


「あっ、いいんだ。映梨子ちゃん。」

「でも!!」

下林さんは、首を横に振った。

「君に会う口実だっただけだから。」

心臓が早く鳴り出した私を、下林さんがまっすぐ見つめる。

「俺、どうしても映梨子ちゃんに伝えたい事があって。」

沈黙が流れ始めた私たちを見て、レジの後ろに並んでいるお客さん達が、空いているレジへと移動し始めた。
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