Chain~この想いは誰かに繋がっている~
名前も知らない、その子をまた窓越しに見る。

ん?

彼女の隣に、さっきまでいなかったオヤジ。

不自然な程に、彼女の横にピタッと張り付いている。


スッと伸びる右腕。

ハッと起きる彼女。

なんだ?

知り合いなのか?


でもその考えは、すぐに無くなった。

彼女の顔が、だんだん歪んでいったのだ。

まさか、痴漢???

俺は彼女の背中を見る。

そして、目を疑う光景を見た。

隣のオヤジの右手が、明らかに彼女の、お尻を撫でているのだ。


このオヤジ!!

みんなが見ている前で、公然と痴漢かよ!!

俺はすぐさま、オヤジの腕を掴んだ。

俺の方を見て、血の気がサーッと引いているオヤジ。


「何やってるんだよ。」

俺の言葉に、周りが振り向く。

「あっ、いや……その……」

逃げようとするオヤジの腕を、離さないように必死に握った。

そして、スーッと音もなく、駅のホームに電車が到着。
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