Be yourself!

それから控室に荷物を置いて、リハーサルをしているはずのステージへと向かうと、遠くから楽器の音が聞こえてくる。



「わあ、すっごい!」



立ち並ぶ物販のテントに大きなステージ。設営はほぼ終わっているみたい。

スピーカーも巨大で、音響システムも超一流どころのメーカーばかり。

目の前に広がる空間は、まさに野外フェス会場そのものだった。


そしてどうやらリハーサルはちょうど終わったとこらしい。

真っ先に真生がステージを下りる姿が見えた。



「あ、いたいたー。おーい!」



有田さんが手を振ると、一番後ろを歩いていた小次郎さんが手を振り返してくる。



「リハ終わったの?」

「はい、有田さんたちは今?」



そうやってワイワイ会話している有田さんの後ろをついて歩きながら、私は相変わらずステージを振り返り、その景色を眺めていた。




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