Be yourself!

あの上から見る景色ってどんななんだろう……。
っていうか、人、どのくらい集まるんだろう。

一曲も聴いてないけど、真生、あんた歌えるの?

大丈夫なんだろうか――って。


気付くと私の視線は、パイプ椅子に座ってお水を飲んでいる真生に注がれていた。



先が細く、つんと尖った鼻から、あごの先端までのラインが完璧なEラインだ。

くっきりとした二重まぶたから生えるまつ毛は反り返り、おそろしく長い。

相変わらず黙っていれば天使みたいで、やっぱりきれいだったりかわいい人が大好きな私は、見とれてしまうわけで……。

でも、真生は私のそんな視線なんかどうでもよさそうに、相変わらずうすらぼんやりと水を飲んでいた。


なにか、言えばいいのに……。

まるで無視かよ!


と言っても、自分から声をかける気も起きない自分も自分だ。



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