Be yourself!

「御子柴さーん!」



手をぶんぶんと振りながら声をあげる私。



「おっ、イノシシガール、元気に働いてるかい?」



御子柴さんがいつもの、ニヤーッと唇の端を持ち上げる微笑を浮かべてテントの中に入ってきた。

彼の背後には、学生服姿の男女が目を輝かせながらワクワクした様子で立っている。
腕には腕章をつけていないから、スタッフではなく普通の生徒たちみたいだ。

携帯を片手に時折御子柴さんの写メを撮ったり、きゃっきゃとはしゃいでいるけれど、御子柴さんはとくに気にならない様子だった。



「えっと……」



そしてテントの中に入ってきた彼は、ほっそりした腰に手をのせたまま周囲を見回す。

誰かを探しているような様子に首を傾げた。



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