Be yourself!
「もしかして着ちゃダメだったんですかね……」
Tシャツの裾をつまみながら、思わずぽつりとつぶやくと、
「それ、真生がデザインしたやつだから、かっこいいって言ってもらえて、照れたんだと思うよ」
小次郎さんが、にこやかに笑って、私の頭をポンポンと叩く。
えー!
照れられると私まで恥ずかしくなっちゃうんですけど!
頬がカーッと熱を持つ。
思わず両手で顔を挟んでしまった。
そんな様子を見て、有田さんが優しげに口を開く。
「ねえ、藍田さん。来週行くところは物販が中だからさ、Saw Atのライブ、見れると思うよ。ライブ中に喧嘩なんてめったにないから、安心して?」
「――はい」
もしかして、興味ないのばれてたんだろうか……。
Saw At
地元の仲良しで組んだロックバンド。
ロックには相変わらず興味は薄いけど、この個性的なメンバーがどんな風に演奏して歌うのか、気になるかも。
恥ずかしくなりながら、有田さんの言葉にうなずいた。