The High School Teacher ~あたしの大好きな先生~
まだ明るさを残した空に火の花が咲き散っていく。

花が開くと空は華やかになって、あまりの眩しさに思わず目を細めてしまいそうになる。

でも花はいくら空に綺麗に咲き誇ろうとも、あまりに脆くて、あまりに儚い。

「…あたし達ってあの花火みたい」

あの花火を見てそう思った。

今のあの大輪のような幸せがいつかちょっとしたことをきっかけに崩れてしまうような気がしてきて不安が胸を燻る。

「リナ」

悠斗に呼ばれそっちを向けばキスが降ってくる。

この花火を見て悠斗は何を思ったの?

そう考えずにはいられないようなキス。



今日の花火はそのあまりの脆さや儚さに瞳を逸らしたくなるのに、それはまるで許されないことのようで瞳が離せなくなる。

つい、魅入ってしまう。

あたし今までこんなに脆く儚いのに、キラキラと誇らしく力強く咲いている花火なんて見たことなかった。



あなたが傍に居るだけでこうも花火が変わって見えるなんてね…。



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