お願いだから
はじまる

自分でも信じられないから



「沙月!今日帰れる?一緒に」


学校が終わり、靴を履き替えていると、声をかけられた。


那智だ。


「うん大丈夫だよ!一緒に帰ろう!」


大丈夫だよ、なんて


本当は、私から誘いに行こうと思ってたとこなんだ。


隣の隣のクラスにいる那智とは地味に会うことがない。

授業中、何度会いたくてたまんなくなったか…


自分でも、なんでこんな変な気持ちになるのか分からないけど、

なんかふと泣きたくなることがある。

那智のこと考えたときだけだよ。
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