お願いだから


そんなこと私が考えているとも知らず、那智は満面の笑みで、

肩まであるサラサラで茶色がかった細い髪を揺らす。


那智の笑顔って…なんか他の人と違う。


ふぁーーって、くにゃーーって、

心の底からこっちも笑顔になれる、そんな顔をしてる。


特別美人とかでもなく、平凡な顔立ちかもしれないけど、私にはとてつもなく、


可愛い



「おーい沙月、どした?」


ドキッとした。


那智のことずっと見てて変に思われたかな…

「だ、大丈夫!全然!」


< 2 / 15 >

この作品をシェア

pagetop