たまごのような恋 殻を割ったそのとき
 あまり通らないところだが、家に繋がることを前から知っていたので、今日はこっちに進むことにした。細道ではあるが、決して通れないというわけではない。これ以上この話題をしたくはない。

「狭いな・・・・・・。うわっ!」

 突然の悲鳴にすぐに後ろを向いた。支樹は体を屈めて足をさすっている。

「捻ったの?」
「心配してくれる?」
「当たり前でしょ、大丈夫?」

 手を伸ばそうとすると、強い力で引き寄せられた。じたばたともがくが無意味だった。

「なんてな。捻ってなんかいない」

 信じられない。

「またいつもの・・・・・・。人が心配したのに」

 キッと睨んでいてもなぜか嬉しそうにしている。何なの?本当に。

「あのさ、そういうことをされると嗜虐心がそそられる」
「な!」
「はいはい。怒らないで」
「あのさ、私をどうしたいの?」

 私にいったい何を求めているの。支樹と出会ってから数年は経つけれど、未だに彼の知らないことがたくさんある。

「うーん、遊びたい」

 満面の笑みで返されてもどのように返事をすればいいのだろう。

「あのね・・・・・・」
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