俺様ヤンキーと平凡女子
その言葉を聞いて、あたしは一目散に屋上に入った。
そこには咲本凪裟がホントにいて、風に吹かれながら座っていた。
そりゃ、モテるわけだ。
咲本凪裟は、座ってるだけで絵になる。
あたしみたいな普通の人に、釣り合うわけがない。
…釣り合いたいって、訳じゃないんだけどね。
「…咲本くん」
あたしが咲本凪裟を呼ぶと、咲本凪裟はあたしを睨み付けた。
な、何で睨まれないといけないのよ!
「遅い」
あ、確かに遅かったかも。
屋上に来るまでの間、いっぱい遠回りしたし、屋上の前で暫く立っていたし。
もしかして、ご立腹だったりする…?