俺様ヤンキーと平凡女子
お腹を擦りながら、あたしの目をジーッと見てくる藍くん。
「ついさっき、お母さんが作ってくれたじゃん」
30分くらい前に、お母さんが結構な量の朝ごはんを作ってくれたのに、もうお腹空くとか…藍くん凄い。
「んー…腹へった」
「お母さん、出掛けちゃったよ?」
お母さんは、お父さんとの結婚記念日デートに向けて、ネイルサロンに行った。そのまま、待ち合わせ場所に行くんだってさ。
「だったら、夢歌が作ればいーじゃん」
作ればいーじゃんって…。あたし、料理出来ないんだけど。
出来るといったら、ホットケーキくらい。
もう、ホットケーキでいいよね?
「藍くん、ホットケーキ好き?」
「にんじん以外なら大丈夫」
「じゃあ、ホットケーキ作るね」
それにしても、まだにんじん嫌いだとは思わなかった。