俺様ヤンキーと平凡女子
★空side
「――ってことがあってん」
咲本凪裟が家にいる間に、夢歌の家に橘藍兎がいたなんてねぇ。
嬉しそうに話す夢歌を見ると、あたしまで嬉しくなっちゃった。
この事を春に言ったら、橘藍兎を恨むだろうなぁ。夢歌のことが大好きだから。
「あたしと藍くんのことは置いといて」
置いとくのね。
「初デート、どうやったん?」
「どうって…。楽しかったよ」
凄く、幸せだったし。咲本凪裟のこと、好きだって気付かされた。
「良かったやん。咲本くんってモテるんやから、盗られんようにしなあかんで?」
「わ、わかってるわよ!!まぁ、凪裟はあたしにメロメロだし」
とは言ったものの、凄く不安。
凪裟なら、選び放題なはずなのに。本当に不安。