myself
午後二時を過ぎた頃、電話が鳴った。

「先生、上木さんがいらっしゃいました」

「わかった。通してくれ」

受話器を置くと、山崎はニヤリと不気味に笑った。




上木聡はパチンコのバイトを終え、車の中でタバコに火をつけた。

「うっわーさみー。雪降んのかなー」

独り言を呟きながら外を見る。

エンジンが温まる間、一服するのがバイトの疲れを癒す一時だ。

携帯を手に取ると伝言ありと画面に表示されていた。

誰だろうと再生してみると、聞き覚えのない女の声が聞こえた。

< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop