【完】結婚からはじまる恋《1》
「俺と彼女は…」



「お前も私が癌で余命半年だと知ってるんだろっ?早く彼女と結婚して…曾孫でもこしらえてくれたら嬉しいんだが」



「・・・」

隣に座る私に向けられた視線は冷たいモノだった。


その副社長の冷たさに耐え切れず、俯く。



「…断ります…」
副社長はきっぱりと言い切る。


私は彼に近づけて嬉しくて嬉しくて…
誰かに言いたかった。

その相手が鑑三じぃちゃんだった。
同僚のオバちゃんたちに言えば…身分違いだと馬鹿にされる。

でも、鑑三じぃちゃんは私の話をいつも真剣に訊いてくれた。





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