【完】結婚からはじまる恋《1》
「気に入ったか?」



「はい」



頼さんは私の返事に満足げな微笑を浮かべる。
テーブルの中央で揺らめくキャンドルの炎が彼の顔をなまめかしく照らしていた。



「本当に夢みたいです。素敵な思い出をありがとうございます」



全てが夢…


明日の朝になれば…私と頼さんは赤の他人。


「…お前が着けていたロザリオを見せてくれ」


「えっ?」



彼は私の身に着けていたロザリオに興味を示した。



このスーツには似合わないと外したロザリオ。



「…はい」


私はバックからロザリオを取り出した。




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