Red Hill ~黄昏の盗賊と冒険者~
「なんで俺がそんな事…」

「ねぇ。どうして盗賊団を抜けたの?」

「はぁ? あんたには関係ないだろ」

「そうね。だけど今回の件は私たち以外にも被害者はいるわ。これから被害に遭うかもしれない人もいる。
あなたのお友達がいるか知らないけど、そんな野蛮な連中たちを野放しにしておく訳にはいかない」

ジルはキッとロイを睨んだ。

そして言葉を続ける。

「あなたたちの複雑な人間関係や、盗賊団を抜けたしょうもない理由なんてどうだっていい。
これ以上、犠牲者を出したくないの。
彼らのところへ案内して」

真っ直ぐな視線を送ってくるジルに、ロイは大袈裟に溜め息をついた。

しょうもない理由…。
そこまで言われるとは。

それからローグに向かって尋ねた。

「おい。この女はいつもこうなのか?」

「言い出したら聞かない女には間違いねぇよ」

とローグ。苦笑しながら言う。

それに釣られたようにロイも花で笑った。

そして考え込むように手を組んで視線をテーブルの上に移した。

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