キズだらけのぼくらは
何度も座っては立ち、外を眺めてはため息をつき、また座った。
そんなことを繰り返していた。
私たちは口をきく元気もなく、時間だけをただやり過ごしていった。
そうして、やっと日が傾き始めてからは、余計に落ち着いてなどいられなかった。
なん十回目かに見た時計は、やっと5時の5分前をさしている。
……アキムが来るならば、あと5分で……。
そんな時、紙が擦れるような音がした。
新太が本を机の上に置いたのだ。新太は瞼を下ろしきって、背もたれへと完全に背を預ける。
私はそんな様子をちらりと見ると、すぐに目を逸らした。
視線を落とせば、その先には黒ずんだ白い上履きの爪先。
私たち、今日、ずっと逃げてきたんだ、新太にずっと手を引かれて。
でもやっと、ここまで来た、アキムの正体を暴くところまで。
アキムには絶対に償わせてやるんだ。
私たちの心の内側を曝しものにした罰を。