キズだらけのぼくらは
教室内がにわかにざわめきだす。
当人がいなくなってからでないとなんにも言えないコイツら。
そこかしこから聞こえる囁きに胸がざわついて、瞼をギュッと閉じた。
私の心の中に、罪悪感が広がっていく。
コイツらと同じような人間にはなりたくなかったのに……。
新太が来なければ、私は最後までなにもせずにいたに違いない。
かたく口を結んで、知らんふりを決め込んで……。
考えれば考えるほど、胸が重くなる。
でも、新太はなんであんなことができるの……?
あんな場所で言うなんて、私にはできっこなかった。
やり込められるかもしれないのに、飛びこもうなんて思えない……。
けれどその時、ハッとした。
もう目の前に、ふたりがいない。
私は慌てて廊下に出て、遠くにふたりの姿を見ると、すぐにそのあとを追いかけた。