キズだらけのぼくらは
なにか言いた気に鋭い目で私のことを睨みつける。
けれど、私は静かに呟いた。
「私には、少しだけ委員長の気持ちがわかります。自分を演じなきゃいけない、周りがどう思っているか気になる。そんなことばっかり思ってきたから」
「僕と一緒にするな」
委員長は迷惑そうに顔をしかめたけれど、それでも私はしっかりと目を合わせて話し続けた。
「そう、違います。違くありたい」
今なら、過去の自分から抜け出せそうな気がしたの。
太陽のオレンジの光が、閃光のように私に差す。
でも、目を細めずに私は言った。
「私は委員長ほど可哀想で、酷い人間にはなりたくない」
「なんだって!? 僕に向かって、可哀想だって? ふざけるな」
私はその瞬間、右手を大きく振りあげ、手の平で思いきり委員長の頬を打った。
「全然、本当に全然足りないけど、これは新太の悔しさと苦しみの分」