キズだらけのぼくらは


ふらついた私は必死になってそばの机につかまり、どうにか持ちこたえる。

このまま負けたら、また逆戻りしてしまう……。

私はどうにか踏ん張った。

「アンタごときが私にそんな口をきいてもいいと思ってんの? ネットではあんな恰好曝してさ、マジキモいんだよ! あれで、私らの真似してるつもりなの!? なれるわけないのに」

大声をあげて笑う秋穂。

取り巻きも一緒になって私を笑い始める。

「私らが今まで目障りなアンタをイジメなかったのは、アンタの脚が悪いからなんだってことわかってる!? わかってるなら、自分をわきまえてあわれんでもらってればいいんだよ!!」

秋穂が激しく顔を歪めて怒鳴り散らす。

私は目を見開いたまま、きつく下唇を噛み締めた。

胸に堪え切れない悔しさが溢れていく。

でも、私は痛くなるくらいに下唇に歯をたてて、抑え込む。

キズをえぐられたみたいに心が痛いけれど、泣いちゃダメだ……。


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