キズだらけのぼくらは
握りしめる手がとてつもなく小さく感じて、私にはなんの力もないんだって実感する……。
私はやっぱり、他の人とは違うの……?
昔みたいにひとり仲間はずれになるの……?
「アキ、私の友達になにしてるの?」
その瞬間、女子の強い声が私たちを貫いた。
前の入口の方へ視線を向ければ、さっぱりとしたショートヘアーの女の子が堂々と教室の中へ入ってくるのだった。
前髪はピンでとめられ、よく見える瞳は大きく、そして強かった。
いったい誰なのだろう……?
その子は、私の元へと歩いてくる。
なんで、私に?
私は、近づいてくる彼女に夢中になって見入っていた。
すると彼女は、机に寄りかかっている私の肩に手を伸ばし、微笑んだのだ。
さっきの凛々しさはどこへやら、ちょっぴり困ったように眉を下げて……。
「桃香、大丈夫? ありがとうね」