キズだらけのぼくらは
結愛は少しもぶれなかった。
短い髪はかっこよく結愛によく似合っていて、大きな瞳を強調した。
今までの結愛はいなくなっていないのに、そこにはなにかを脱ぎ捨てたみたいにスッキリとした結愛がいる。
隣から、温かさにあふれた強さをひしひしと感じる。
「私は親友だといいながら、アキの気持ちをわかってなかったよ。私は人を好きになったことがなかったから、アキが恋でどんなに苦しんでいたかなんてわかるわけもなかった」
静かに喋りだす結愛。
でも秋穂は、べったりとアイラインを引いた目で鋭い視線を結愛につきたてる。
今にも結愛の話を遮りたそうに、グロスが光る唇を歪めた。
「あの時の私はわかりもしないのに、上辺だけで謝ってたの。アキに見捨てられたくないって、自分のことだけしか考えてなかったんだ。そんなの、本当の親友じゃないよね」
結愛は初めて俯いて、一度、目に袖を押しあてた。
「なにが言いたいの、アンタは……?」
不機嫌そうに眉間にしわを寄せる秋穂。
だけど、結愛はすぐにしっかりと秋穂を見つめ直した。