キズだらけのぼくらは


……泣き声が、森に響いている。

私は泣いている。

「せんせーい! ミホちゃーん! 助けてー! 誰かぁー!」

手の甲で涙が溢れて止まらない目を、何度も何度も擦る。

顔はもう涙でぐしゃぐしゃで、袖口はもう冷たく濡れていた。

それでも、私は大声をあげて泣きじゃくる。

声が枯れそうなくらい、誰かに届いてほしいと声をあげる。

めくれたズボンからは、鋭く切れた数センチのキズが見えていた。

さっき拭ったのに、また血がにじみ出してくる。

運動靴の上に見えているくるぶしは、大きくはれ上がっている。

「痛いよ、痛いよぉ」

私はまた大きな声で泣きわめく。

落ち葉の重なり合う絨毯の上に、ぺたりと座ったままただただ泣いている。


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