キズだらけのぼくらは


そう思ったら外を見ている事が嫌になって、窓に背を向けてベンチにどさりと腰を下ろした。

放課後のラウンジには誰もいない。

しとしとと降り続いている雨音が響いているだけ。

天気が悪いせいで、広く窓が設置されているラウンジは薄暗く、私の腕はクーラーで冷え過ぎた時みたいにひんやりとしていた。

朝は雨なんて降っていなかったのに、秋の天気っていうのは変わりやすい。

油断をしていた私が悪いのかもしれないけれど、今日は曇りだと言った天気予報を信じたせいで折り畳み傘をもってこなかったんだ。

だからこうして、雨は止まないものかとここで暇つぶしをしているの。

私は右手に持っていたスマホをのぞきこむ。

あてもなく止みそうにない雨を待ちながら、何度スマホをチェックしたことだろう。

いつもはピンク色に染まったももたんのブログをチェックするけど、ここ数日、私がチェックしているサイトは変わった。

画面には今、そのサイトが映し出されている。

もちろん、あのまっ黒なサイト。


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