キズだらけのぼくらは


きっとみんな思っている……。

地味でダサくて足を引きずってるヤツなんかを自分のグループには入れたくないって。

そんなヤツを入れたら、グループのレベルが下がるでしょ。

女王様気取りの一軍女子と、近くにおいても恥ずかしくなく、それなりにかわいい取り巻きの女子。

絶妙な人事をしている一軍女子の手腕は、私もほめたたえたくなるよ。

私は水滴を勢いよく跳ね飛ばしながら、湯船から立ち上がる。

たとえ、そんな一軍女子さんが入れてくれると言っても、私は断る。

そんなくだらないグループなんかに、入るもんか。

そういうヤツはきっと、私みたいな三軍以下の人間を腹の中で笑っている。

だったら、こっちから願い下げ。

こんな私でも、女王様に媚びへつらうだけの駒にはなりたくないから。

そう心の中で呟くと、私は邪魔な前髪をかきあげて、嘲笑った。


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