あなたと私のカネアイ
 割と短時間で結論を出した私は着替えを済ませ、ダイニングへ。
 すると、キッチンから出てきた円が持っていたお皿をテーブルに並べてにっこりと笑った。

「今日のご飯は可愛いよ。早く帰れたから頑張ってみたんだよね」

 そう言われてテーブルに視線を落とすと……クマがいた。
 キャラ弁、いや、この場合はキャラご飯っていうのかな? 茶飯で作られたテディベアが頬を染めて私を見てる。テディベアの横はハンバーグにとろけたチーズがかかっていて、ハート型にくり抜かれたにんじんのソテーが添えられてる。
 グリーンサラダとスープもついて、お子様ランチみたい。

「何これ?」
「何って、今流行ってるでしょ? こういうの。結構うまくできたと思うんだけど」

 椅子に座って問うと、円も向かいに座って自分のプレートを見て満足そうに頷いてる。確かに可愛くできてる。クマの表情も愛らしい。けど!

「結愛、テディベア好きなんでしょ?」

 そう指摘されて、ぶわっと顔が熱くなる。
 今朝何も言わなかったから、スルーしてくれると思ってたのに。突っ込むの!?

「わ、私、そんな年じゃないし」

 恥ずかしくてフンと横を向いて反抗してみる。
 でも、可愛い……どうしても気になってちらちらとそちらを見てしまう。

「好きなものに年は関係ないよ。ほら、食べよ」

 そんな私に気づいているだろう円は、クスクスと笑って席につく。



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