ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─

「ちょっと、本読んでたから」

玲愛君が、私に本を見せてきた。

「そっ、そっか…」

「うん。…あっ、俺もう出番だった」

「ん？玲愛君、何に出るの？」

「俺は、綱引きだよ」

「綱引きか…。頑張ってね！」

「うん……」

玲愛君は、本をチラチラ見てた。

「てか、もう少しで昼ご飯だ」

玲好君が、目をキラキラさせて愛希さんを見てた。

「そうだよ。…玲好の好物の唐揚げ入ってるよ」

「やったーー！！黛城さん大好き！！」

玲好君が、愛希さんに抱き付いた。愛希さんは、苦笑いをしながら玲好君から離れようとしてた。

「玲好…、暑いっ、て。離れ…て」

「あっ、ごめんなさい！」

「大丈夫、大丈夫。後、優花ちゃんの好きな、ハンバーグも入ってるよ。それに玲愛の玉子焼きとか。叶のウィンナーとか。だから体育祭、頑張って」

「やった！ありがとう！愛希さん、大好きです！」

私も、玲好君の真似して愛希さんに抱き付いた。愛希さんは。

「ちょっ、……へっ？ぃゃ……、えっ？なっ、えっ？」

と、日本語か分からない事を私の頭上で言ってた。

「……………」

叶君は、私の首もとを引っ張って愛希さんから離した。愛希さんの顔を見ると、赤く染まっていた。

「かっ、叶君、…はっ、離して。くっ、首がっ…」

「……………」

「……ふぅ……。死ぬかと思った……。………あれ？玲好君どうしたの？」

玲好君は、明らかに機嫌が悪くなってると言うか。凄い落ち込んでる感じたった。

「別に、何でもない…です…」

玲好君は、ぶっきらぼうに言った。……何でもあるような感じがするんだけど……。

「……そう？」

「………うん」

『プログラム６。二学年綱引きです。出場者は、グランドの真ん中にお集まり下さい』

「あっ、じゃあ、行ってきます…」

玲愛君が、一言私達に言うと玲愛君は。本を置いて、グランドの真ん中まで走っていった。

「赤組、優勝出来ると良いけど…」

「そうだね」

愁太さんが、私の隣に来て呟いた。その後、私の頭を優しく撫でた。

「汚っ……」

愁太さんが優しく撫でた私の頭を叶君が、はらった。

「かーな！いくら何でも、やりすぎだよ！愁太に、謝りなさい！」

愛希さんが、叶君の頭を軽く叩いていた。

「いいよ、いいよ。愛希。叶は、嫉妬してるんでちゅもんねぇー」

「キモい。死んじまえ」

「素直になりたいけど、なれないだけでちゅもんねー」

「黙れ。死ね。消えろ」

「好きな女の子が、鈍感過ぎてムカついているだけでちゅもんねー」

「うるさい、うるさい！うるさい！！！！黙れ！！」

叶君が、愁太さんの事を叩きまくっていた。愁太さんは余裕な微笑みで突っ立ていた。

「叶、もっと鍛えたら？」

「うるさい死ね」

「そのままじゃ、男に襲われても逃げれないよ？」

「僕は女じゃない。うるさい死ね」

「じゃあ、鍛えないと」

「並にあれば僕は別に良い。うるさい死ね」

……かっ、叶君の語尾が『うるさい死ね』になってる……。……のに、愁太さんは笑顔だ……。……こっ、この人は、どんだけ心が広いんだ？！