カローナ姫の黒猫
「そう、この姿で会うのは初めてだな」
フッと不敵に微笑むその姿にカローナは、驚きを隠せなかった。
「で、でも…ルイはわけあって猫の姿でいたんじゃ…」
「あぁ、そうなんだけど。これもまた面倒な話、どうやら日が沈んだらもとの姿に戻れるみたい。だから、昼間は猫。夜は人間」
ルイはそう説明すると、嫌そうに顔を歪ませる。
「そうそう。本当に面倒くさいんですよね、いちいち付き合わされるこっちの身にもなってほしい」
カローナの隣に立っていたレインは、やれやれといった感じで軽く肩を落としていた。