カローナ姫の黒猫
「ふん…。俺が呪いをかけられた時、たまたま外に出ててお前は助かったけど一歩間違えれば呪いにかかってたのはそっちだったかもな」
「いやいや、日頃の行いの差だろうね?ほら、僕のほうが数段性格はいいし。結局、呪いにかかるのは兄さんの方だったと思うけど?」
お互い貶し合いつつも、仲の良さそうな二人のやり取りに内心、カローナはクスリと笑みが溢す。
なんだかんだで仲が良い兄弟みたい。
「ま、そんなことより兄さん、さっさとカローナ姫にプロポーズなりなんなりやっちゃってくださいよ。あまり時間がないんですから」
…プ、プロポーズ?
「じゃ、お邪魔虫は消えますので」
サラッとそんな爆弾発言を残し、レインはヒラリとバルコニーの手すりから庭の方へ消えていく。