ハートフル・アーツ
「…。

僕はこのボクシング部を辞めさせてもらいますよ。

退部届は後日出しますので。」

クリスは拳の力を抜いた


「た、助かった…」

顧問が言う


「俺は許したとは言ってないけどな?」

幸大が言う

「お、お前は関係ないじゃないか!?

当事者のクリスが見逃してくれると言っているんだ!!」

顧問が言う


「…確かに。

しゃーないか…」

幸大も顧問の前から移動する


「じゃ、私なら良いよね?

人質にされるし、ブレザーとブラウスをダメにされたし…


私の家族であるクリスを苛めたんだから。」

ジニーがニッコリと笑いながら言う


「そ、そうか。

なら好きなだけ殴ってくれ。」

顧問はジニーの力量を過小評価し、ニヤリと笑いながら言う


「OK。

I punish the wicked without mercy.

(わかりました。

遠慮なくやらせていただきます)」


ジニーが拳を構えた



「ぎゃあああああああああああ!!」


その後しばらく、ボクシング部の部室に顧問の断末魔が響いていた
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