ハートフル・アーツ
「お主は今の時点ではおそらく自分の手が届くくらいの範囲での流れしか読めぬのだろう。


その範囲を大きくしていくのじゃ。

そうすれば今までは捌ききれなかったモノや流せなかったモノへの対策も練れる。」

「範囲を大きく…」


「そうじゃ。

間合いを、と言うよりは空間を大きく。」

「空間?」

「うむ。

間合いとは相手に対して攻撃、反撃、防御、捌きが取れる距離。


つまりは柔軟に相手に対処できる。」

「それはなんとなくわかるけど…」


「だが、お主の流流しと言う技。

攻撃と防御はできぬじゃろう?

反撃と捌きのみ。」

「ああ。」


「それも空間じゃ。

反撃と捌きのみに特化した自分の間合い、と言った方がわかりやすいかの?」


「なるほど…」


「して、今の猫の空間は言わば攻撃と防御に特化しておる。


相手の位置や行動パターンに適した対処法を考える時間や使える間合い、使える技が流流しの空間よりも多い。」


「確かに、流流しの系統は相手や攻撃に触れてる状態でしか撃てないから武神流の技はほとんど撃てないな。

間合いとか動作に必要な距離や時間が無いから。」

幸大が言う
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