ハートフル・アーツ
「でも…私はしっかりと蔵に書物を戻したはずよ?」


なずなの母親が言う


「あ…!」

なずなが言う

「何かあるの?」

母親が言う


「その…勝手に持ち出して怒られてから、バレないように表紙を剥がして違う本に張り付けていたんです…」


なずながバツが悪そうに母親に言う

「確かに…私は正当継承者ではないから中身は見ませんでしたから…」


「ふむ…私も習得して以来見ていなかったな…」

父親が言う



「それより…あんたのその腕…」


すみれが幸大の右手を指差す


「腕…?」

ぷら〜ん…


「ぬぉっ!?

腕がブラブラしてるし!!」

幸大が言う


「幸大、痛くないのか!?」

なずなが駆け寄る


「いや…あいつを殴ってからずっと痛かったし…」


「とにかく手当てするから来なさい!

御姉様、家の中に!」


「ああ。

幸大、歩けるか?」


「足はなんとか無事だからな…

がふっ!?」

幸大が血を吐く

「あれ…?」

ドサッ!


幸大が気絶した



「幸大!?

幸大!!」

なずなが呼び掛ける

「早く治療しないと!!」

すみれが言う
< 18 / 510 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop