ハートフル・アーツ
「じゃあ…いつでも良いぜ?」

幸大が言う

「上等だ!!

ぶっ殺す!」


先程よりも強い一撃

気迫、殺意も先ほどの比ではない


「死ねぇ!!」

朝倉の一撃が近づく



「武神流天義、風神纏龍槍!」


ゴォッ!!

幸大が初めて放つ技


風と龍の幻影を纏った槍が放たれた


オォォォォォォ!!

風を切り裂く音か、渦巻く風の音かわからないが唸りをあげて朝倉を撃ち抜いた



ドォンッ!!

「がはっ…!」

大きな衝撃音とともに朝倉は吹き飛ぶ



そのままビルの外へ飛び出していく


「…」

朝倉は落下と死を直感した



ガシッ!


「ぐっ!!

ギリギリ…セーフ!!」


幸大から耳打ちの指示で朝倉の後方に移動していた明日香が朝倉の腕を掴み、間一髪で朝倉の落下を防ぐ



「引き上げるぞ。」

幸大も朝倉の腕を掴み引き上げた





「はぁ…はぁ…

くそ…くそ…

何で…」

朝倉が涙を流し始めた




「強がるからじゃない?

あんたは弱いのに…強がって、頑張り過ぎてるよ?」

明日香が言う

「弱い…のか?」


「負けを認めるのも、誰かに頼るのも強さだと私は思ってるよ…」


「…。」

「朝倉、1つだけ教えてあげるわよ?


孤独なんて…弱い奴が傷つきたくないから逃げてるだけなのよ…


傷ついてもいい…それでもいいって誰かと一緒に居れる奴の方が強いわよ…」

シェリーが言う


「…。

お前は四天王の時より強いのか…?」


朝倉が言う


「さぁ?

でも、前よりも堂々と生きてる気はするわ。

そして前よりも強くなれる、強くいられる…とも思ってるわ。」


「…。」


「さ、私たちはお邪魔虫みたいだからあとは明日香に任せて退散しよー!!」

ジニーが言う


「おい…」

朝倉が言う

「ん?」

「近々…永塚たちが大きく動くらしい。

気を付けろ。」

「ああ…」

幸大は短く返事をしてジニー、シェリーとともに立ち去る


「九重…いや、その、明日香…

少しだけ手を握ってていいか?」


「いいわよ、士郎。」
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