ハートフル・アーツ
その後すぐに電車がホームに停車して、また走り出した


「なずな!!」


幸大がなずなたちのいるホームへとやって来た


「幸大、この人が先ほどの…」

なずなが言う


「助けてくれて、ありがとうございます。」

男性が言う


「誰かに押されたみたいですが…」

幸大が言う

「…。」

男性が気まずそうな顔をする


「さっきの…手にダビデのタトゥーがあったわ。」

すみれが言う


「詳しくは言えないが…とある組織が私を疎ましく思っているんだ。」

「組織?

何の…かは教えてくれないですよね。」

幸大が言う

「ああ。

強いて言うなら私が恐れるのは組織の…強力な武力、かな。」

男性が言う



『まもなく電車が参りますので白線の内側へお下がりください。』


「じゃ、そろそろ俺たちは行きますので。」

幸大が言う

「あの…

私は加山、直仁。

君の名は?」


「小鷹幸大です。」

「朝霧なずなです。」

「朝霧すみれです。」



「どういう理屈か原理かわからないが君には助けられたよ、ありがとう。」


「いえ、大したことはしてないですよ。

では。」


幸大たちが電車に乗ると電車は走り出した



「彼みたいな人が娘も救ってくれたらな…」

直仁は空を見上げる



『奈落天上の城の完成率が95%を越えました』

直仁はスマホの画面に映る文字を見て絶望に近い感情を覚えた
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