ハートフル・アーツ
25
夏休み


駅のホーム

「遅いわね…」

すみれが言う


「幸大、どこにいるんだ?」

なずなが携帯電話で言う



『今、着いて…あ!!

向かいのホームだ!!』

幸大が言う

「あ…。

あそこにいるのがそうね…バカ。」

すみれが言う


「まだ時間に余裕がある。

次の次の電車だ。

早くこっちに渡ってきてくれ。」

『ああ、わかっ…

なずな!!

隣の奴!!』


幸大が叫ぶ


「え?」
「あ…」


なずなとすみれが横を見た



とんっ…


黒いスーツの男性が中年の男性を線路へと押した


ダッ!!

スーツの男性が走り去る

「くっ…」

なずなが助けようとするが距離があり間に合わない



「天龍槍!!」


ゴォッ!!


ドッ!


「ぬわっ!?」

幸大が風を打ち出した

中年の男性はホームの後ろへと吹き飛び尻餅をついた
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