ハートフル・アーツ
夜中


「ん…」

幸大が目を覚ます

「幸ちゃん…やっと気がついた?」

ツバメが寝ている幸大の側で座っていた

「ここは?」

「うちの客間。

幸ちゃんは修行場で倒れてたのよ?」


「ああ…そうか。

てっぺんの樹にタッチした瞬間に力尽きて落ちたはず…そのあと気絶したんだな、きっと。」


幸大が笑いながら体を起こす


ぎゅっ…


ツバメが幸大を抱き締める

「心配させないでよ…


せっかく会えたのに…万が一、命を落としてたら…」

ツバメが体と声を震わす


「大丈夫。

俺はスカイツリーのてっぺんから落とされても死なないさ。

俺はツバメが居なくなったあの時よりも強くなったんだ。」

幸大がツバメを抱き締める


「…あの時、か。


私は今回、幸ちゃんに会うまではあの日のことを後悔してた。


でも…幸ちゃんに会って、あの日のことを良かったって少し思ってる。」


「え?」



カタッ…

「「?」」

二人は小さな音に反応した


「出てこい、なずな。

すみれも。」

幸大が言う




「幸大の声が聞こえたから…来たのだ。」

「私はお姉様の付き添いよ。」


なずなとすみれが幸大の近くに来た
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