ハートフル・アーツ
「さぁ、降りてこいよ!!」


幸大が言う


ヒュッ!!


「きゃっ!?」

「なずな!?」


「かすっただけだ…」


なずなの腕から血が流れた


「手裏剣…」

幸大が地面に刺さった手裏剣を見る



「ふっ…私は飛び道具の技術も踏まえての技の拳聖だ!!


私がここから動くまでもなく、お前らを殺す!」




「はぁ…

拳聖とか達人ってのは…老師や師匠みたいにもっと、なんつーか…覚悟とか肝の座った奴のことを言うのかと思ったら…



あんたは、ただの小手先の力だけの奴みたいだな?」


幸大が言う


「だから何だ?

勝つための技術がお前らを殺す。

そういうことだろう?


文句があるなら…勝ってみろ!!」

ヒュッ!!


拳聖は大量の飛び道具を天井から投げてくる

「ああ…しゃーねぇから、新しい技を見せてやるよ!!



虎喰!!」


フッ…


「流流し…」


スッ…




「新しい技?

あの二つは今まで通りでは…」

なずなが言った瞬間だった



ヒュンッ…


幸大が姿を消すと同時に、その場に居たものは全員が燕の飛翔の幻影を見た


キュイイイイイイ!!


燕は大量の飛び道具の雨の中を拳聖の元へと飛び込む







その実…幸大が最も最適な天井までの道を見極め、飛んでくる飛び道具を足場にしてかけ上がる


それが燕の幻影を纏った幸大の姿だ
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