ハートフル・アーツ
「確か…流流しだったか?

見事な捌き技だが…俺には勝てない!


あれに似た類いの技を使う奴を何人も斬った!


それよりも格下の貴様の技なんか…脆くて刀の錆にもならん!」

ダッ!!


拳聖が斬りかかる



「俺は迷ったりすれば弱くなる。


ただでさえ、弱いのに…



だが…今の俺は少なくともさっきお前に勝った俺よりも強い。」



ゴォッ…


小さな龍の幻影が一瞬だけ幸大の周りを旋回して消えた


「な!?

幸大の幻影が消えた?」

なずなが心配する


「幻影も何時もより小さいし…そこら辺にいる蛇以下の大きさでしたね…」

すみれが言う




「心配無用じゃ。」

老師が言う


「前に僕が言ったことがあるだろう?

幻影はむやみやたらに見せつけるんじゃない。ってね。


相手にのみ見せる…それが達人の域だ。


が…彼は未熟だからまだ僕たちにも見えるわけだ。


幸大君が達人の域に達してもその幻影が見えるようになったら君たちも達人の域に達したと言うことになる。」

幸明が言う



「つまり…小僧の幻影が見えるのは小僧よりも実力のある者だけ、になりつつある。

そういうことだ。」


壮一郎が言う



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