ハートフル・アーツ
「それは良かった。」

幸大が言う


「何だと?」


「今回の件はどうも…心がスッキリしなかった。

あかねを武神流で匿っても本当にあかねは幸せになるのか…悩んでた。

父親をぶっ飛ばしてもあかねは俺に心の底から笑顔を見せてくれるのか…


そもそも…あかねを助けることは、救うことは正しかったのか…




今回は迷いが頭から離れなかった。


だが…もう十分だ。」


幸大が言う


「はははは!!

あの程度の力しか持っていないお前が本気になった俺に今さら勝てるとでも?」

拳聖が言う




「幸大!!」

「一体何が…」

なずなとすみれがやって来た


「真実が明らかに、と言うところじゃな。」


老師が言う

「おや、聞いていたのかい?」

幸明が言う

「いやはや…あの男に仕掛けた盗聴器がまだ機能していたのでな。」

老師が言う

「それに気づかないとはやはり偽者か。」

壮一郎が言う




「あかね…」

ポンッ…

幸大があかねの頭に手を置く

「小鷹…」

「俺にはお前がこの先どうするべきか…どうしたら良いのか…どうしたいのか…

何もわからない。


…俺はあの偽者をぶっ倒したい。


いいか?」

幸大が言う


「うん…。


お願い…あいつを…僕の代わりに思い切り殴ってほしい。」


あかねは泣きながら小さく笑う





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