ハートフル・アーツ
「下手くそめ…。」

幸大が言う


「何!?

完璧なはずだ!!

俺は変装に関しては…」



「なら…覚えとけ。


あかねはもっと綺麗だし、カッコいいし、てめぇの変装の何百倍もめちゃくちゃ…可愛いんだよ!!


武神流奥義!!


王戟!!」


ドゴシャァッ!!



幸大の拳が拳聖に思い切りめり込んだ


「が…げ…

ば…」

ただ、小さく呻くしかできない拳聖


「…。」

幸大が拳聖を見下ろす


「お…俺を殺しても…

あいつの両親も何もかも…も、戻らない。


だから…」

拳聖が息も絶え絶えに言う


「安心しろ…殺さない。


が…死ぬほど殴る!」


「や、やめ…」


「いっそ…真似ができるように武神流奥義のフルコースでもいっとくか?」

幸大が言う



「ま…待て…

な…何か欲しいものは?

そうだ、武神流に一族を任せて、


それとも、くの一を好きなだけお前にあてがおうか?

美人揃いで…」


「もう喋るな…

いや、口を開く間も与えない!」

「や、やめ…」

「武神流奥義…王槌!!」



ヒュッ…パシィンッ!!



幸大の本気の拳が横から伸びた手のひらに止められた




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