ハートフル・アーツ
幸大の部屋



「…。

いってぇ…」


幸大が眼を覚ます


「ってなずな!?」

幸大の真上にはなずなの顔があった


「もしかして、この後頭部にある柔らかな感触は…」


幸大が言う

「私の太ももだ。

無事か、幸大。」


「か…体は大丈夫だけど、心臓がヤバい!!」

「ふっ…。

幸大は面白いことを言うな。

心臓付近に攻撃は当たっていなかったぞ?」


なずなが言う


「この鈍感…

そう言えば師匠は?」


「そこにルーレットを置いて帰って行った。」


「ルーレット?」


幸大がなずなの目線の先を見ると回転する円盤のルーレットがあった


「『御褒美ルーレット』?」


「幸大が修行を一つクリアするごとにダーツを投げてルーレットに書いてある御褒美をゲットできるそうだ。」


「えーと、項目は?



『膝枕』『ハグ』『添い寝』『一緒に御風呂』『キス』『全部』


ってまじか!?」

幸大がなずなを見ながら言う

「いや…その、別に私がやると決まったわけではないが…

まぁ…おそらく私がやるのだろうな。」

なずなが言う


「よっしゃ!!

修行もやる気が出てきた!」



「幸大は、その、私からの御褒美は嬉しいのか?」


「当たり前じゃん!!」


「そうか…

なら、今はしっかりと御褒美を受け取っててくれ。」


なずなは幸大の頭を撫でる


「ん…。

ありがとう。」

幸大が言う
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