ハートフル・アーツ
その頃


某所



「最近、武神流の話がピタリと消えたな…」


「はい、それが今までになく厄介なことになりつつあります。」

「厄介な?

今までも十分に…我々のような力で物事を変えようとする存在には厄介な存在だったが?」


「それが…これまでは武神流次期当主のそばに『心の拳聖』がおりましたが…

噂によると『技の拳聖』までもが次期当主との協力関係にあるとか…」



「噂に過ぎないのでは?

あの暗躍専門の集団はもともと武神流とは無縁だったはずだ。」



「それが…『技の拳聖』の娘が次期当主と随分親しげのようで…」


「武神流、心の拳聖、技の拳聖、それにくわえてドラゴン・アーツに舞姫流…



いっそ…娘のいる一門は武神流に嫁に出して和睦でもはかるか?」



「はははは!!

馬鹿馬鹿しい。


ここにいる皆様が恐れているのは現当主の化け物じみた強さのみ。

次期当主など赤子の手をひねるのも同じ。



それに…舞姫流は春にはこちら側となりますよ…」


「舞姫流の継承者が…武闘派ヤクザの若頭と縁談、か。


時代が変わったな…」



「武術の流派を持たないヤクザの我々が


この『武人会』にいつまでも無流で居座るのも居心地が悪い。


皆様と並び立つためにも舞姫流…と名前はアレですが流派としては我々にとっては金看板。


しかも美女のオマケ付き。





楽しくなってきましたよ…」
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