ハートフル・アーツ

仙湯

幸大たちは門を仙湯に設置しそこから時の神の領域へと向かった


「まったく…夜中に私を起こして仙湯で待っててくれって言ってからどんだけ待たせるのよ…」

すみれが言う



バゴォンッ！

門が勢いよく開かれた


ボチャンッ！

門から飛び出たそれは仙湯へと沈む



「いったい何が…って、あんた、何なのよそのケガ！」


すみれが応急手当をしようとする


「そのまま、仙湯の中で手当をしてやってくれ。」


幸明が言う

「幸明さん…」

「仙湯に入ってる限り、幸大君なら多分死なないさ。」


「誰がこいつをこんな目に？ 」

すみれが手当をしながら言う


「僕だよ。

とは言え、普段の彼ならもう少しダメージを軽減できたはずだが、吹き飛ぶ速度を下げないためにあえて防御しないどころか脱力して攻撃を100%の威力で受け止めた。

それでも死なないのは幸大君だから、だ。」


「私は医者じゃないから…こんなぐちゃぐちゃな内臓は治せないわよ!?

こんなんじゃ、止血くらいしかできないわよ…」


すみれが己の力不足を痛感する



「ありがと…」

幸大が呟く


「…どういたしまして。」

すみれが言う