ハートフル・アーツ



「幸明、俺たちは城下町を見て回る。

城主に用事があるならお先にどうぞ?」

幸大が言う


「おや、そうかい?


…わかった。」

幸明が言う

「幸明の用事が何なのかは知らないけど…幸明が何かやって城主の機嫌が悪くなろうがなんだろうが、俺たちのことは気にしないでくれ。


幸明の思った通りにやってくれ。」

幸大が言う


「?

よくはわからないが…僕は僕のやりたいことは遠慮せずにやるよ。


じゃあ、また縁があれば会おう。」

幸明が言う








「追わないの?」

すみれが言う

「このままだと幸明が城主に会うまでに俺らが城の敵を一部でも倒す可能性がある。

そうすりゃ、幸明が城主に勝つ可能性がある。

極力、幸明の過去に近づけないと、な。」

幸大が言う

「僕たちは幸明さんが負けないと動けないからね。」

あかねが言う


「おいおい、べっぴんを引き連れて楽しそうだなぁ?」


刀を腰に下げたゴロツキ数人が幸大に詰め寄る


「こういう奴等はどの時代にもいるのね…」

すみれが言う

「あんまり、過去で余計なことはしないほうが良いんだけどねぇ…」

あかねが言う


「あぁ?

お前らごちゃごちゃ何を言ってるんだ?

斬られてえのか?」

ゴロツキが刀に手を掛ける



「一応、忠告しとくぞ?

その刀をこの二人に向けたら命は保障しかねるぞ?」




幸大が睨むと同時にゴロツキたちが刀を抜こうとした













「とりあえず、少しくらい楽しもうぜ?」

幸大はゴロツキたちから(無理矢理)受け取った詫び金を持ちながら屋台を見回る


「楽しむって…派手なことはしないでよ?」

すみれが言う

スッ…

すみれの頭に幸大ご屋台で買ったカンザシを差す


「え…?」

「このくらいはいいんじゃねぇかな?」

幸大が言う

「…そ、そうね。

ありがと。」

すみれが小声で言う


「小鷹、僕にも‼」

「はいはい…

こんなことならゴロツキの有り金を全部ちょうだいしとけばよかったな。」

幸大が言う



< 451 / 510 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop