ハートフル・アーツ
「ここは…?」


幸大が目を開けた


「幸大!

良かった…」

なずなが幸大に抱きついた


「え…あ…なずな!?」

幸大が慌てる


「修行は今日はここまでってことさ。

また明日。」


幸明が言う


「あ…溺れたのか、俺。」

幸大が着物に変わった自分を見ながら言う


「そうだよ。

ちなみに、彼女が君を着替えさせて服を洗濯したのも彼女だ。」


幸明がすみれを指差すがすみれは壁を見ていた

「すみれ、ありがとう。」

幸大が言うがすみれはピクリとも動かない


「中学三年生にしてはウブだね。

男の子の裸を見てこうなるなんて。」


「…は?」

幸大が言う

「言っただろう?

着替えさせたのは彼女だよ?」

「な!?

下着とかの着替えは師匠でも良かっただろうが!」

幸大が言う


「いやいや。

僕は自分以外のイチモツは見たくないから。」

幸明が言う


「てめぇ!!」

「ちなみに今でこそ彼女はあんな感じだけど見た時は興味津々で少し弄ってたよ。」

幸明が言う


「ってことは…」

幸大の頭に一つの可能性が浮かぶ


「人体には反射と言って無意識に体が反応する能力が備わっているんだ。

生理現象も反射の一部に分類される時があるんだ。」


幸明がニヤニヤとしながら言う


「まさか…」

幸大が言うとすみれがぎこちなく振り返った

「えーと…」

幸大が言葉に詰まる


「このど変態!」


ドゴォンッ!!

幸大が中庭まで吹き飛び、すみれは自室へと走っていった




「ふむ…

さっきから何の話をしているのか私にはさっぱりわからないのだが…」

なずなが言う


「君は本当に高校生かい?


ウブと言うよりは無知だね。

まさに箱入り娘の御嬢様だ。」

幸明が面白そうに笑う
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