12時の鐘が鳴る頃に…

聞きたいことってなんだろう。

原口くんの手を軸に、体を回転させながら聞いた。


「当日、着るドレスはあるのですか?」

「あ…ない、です」

「そうですか…」


原口くんは短い思案の後、再び口を開いた。


「では、僕が貴方の分のドレスを用意してもいいですか?」

「え…!?」

「何。嫌なのですか?」

「い、いえ!そういうことでは…」

「僕が用意することでいいですね」

「は、はい…ありがとうございます」


でも、彼ってお金持ちではなかったよね。

どうやって、ドレスを用意するの?

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