fairy tail

決闘

生い茂るファランの森を通り抜けると、鬱蒼とする緑に囲まれたお城が顔を出す。昼間は白く気高い西洋風を模としたそのお城も、夜は月明かりだけが照らすためか異様な空気を漂わせていた。

フェルツ家の南門。
少人数での警備だったのが幸を奏し、静かに兵を薙ぎ倒していった。
全身黒を身に纏っていたため、ほとんど存在に気づかれずに南門を突破し、城に侵入した。ロゼルフは城の構図、配置について予想を立てながら、アリア王女のもとに向かった。
薄暗い廊下を歩き、持っていた蝋燭に火を灯す。少し歩くと「ARIA」と書かれた扉を見つけた。
「ここか…」ドアノブに手をかけようとした時だった。
「そこで何をしている」
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