fairy tail
ハッとして振り返るととフェルツ家の現王のウェルダが立っていた。
「南門の様子がおかしくてな。いつもは喋り声が聞こえるのだが今日はやけに静かで…貴様は何者だ。」
ウェルダ王は持っていた蝋燭の灯りをロゼルフに近付けた。一瞬暗闇に浮かび上がった顔が父親に似ていて驚いた。しかし、ロゼルフは気にすることなく口を開いた。

「レイゼル家の赤の王を護衛する傭兵隊長、ロゼルフだ!」

ウェルダはハッとすると、気持ちを切り替えた。
「つまり敵国の兵士か、俺を殺しにきたのか」
「いや、今日は別の用だ。アリア王女を夜這いしにきた」と笑みを込めて言うとウェルダ王は憤怒した。

「なんだと!?恥を知れ。貴様のような外道な人間に、妹には指一本触れさせない」ウェルダ王は剣を持って構えた。
「来い!!行くなら俺を倒してから行け」
「承知した。」そして二人の戦いが始まった。

< 50 / 78 >

この作品をシェア

pagetop